【害獣・害虫被害で“修理費10万円以上”が4割!】
見えない損害の実態を経験者に聞いてみた

近年、都市部を含む幅広い地域で、イタチやハクビシン、アライグマ、さらにはシロアリといった害獣・害虫による被害が増加傾向にあります。
天井裏を走り回る音は安眠を妨げるだけでなく、家屋の構造を傷めたり、糞尿による悪臭や衛生被害をもたらしたりと、生活環境全体に深刻な影響を及ぼします。
しかし、害獣・害虫被害が具体的にどれほどの金銭的負担になっているのか、被害経験者でなければ実態は見えにくいものです。
そこで今回はNEXERと共同で、事前調査で「害獣や害虫によって家が何らかの損傷を受けた経験がある」と回答した全国の男女146名を対象に「害獣・害虫被害の損害実態」についてアンケートを実施しました。
「害獣被害の損害実態に関するアンケート」調査概要
調査期間:2025年9月9日 ~ 2025年9月21日
集計対象者:事前調査で「害獣や害虫によって家が何らかの損傷を受けた経験がある」と回答した全国の男女
有効回答:146サンプル
質問1:害獣や害虫によって家のどこに損傷を受けたことがあるか、当てはまるものをすべて選んでください。
質問2:どのような損傷だったか具体的に教えてください。
質問3:修理費はどのくらいかかりましたか?
質問4:原因になった動物や虫は何でしたか?
質問5:被害を経験したことで、その後防止対策を行いましたか?
質問6:行った方はどのような防止対策をしたか、行っていない方はその理由を教えてください。
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
質問1:
害獣や害虫によって家のどこに損傷を受けたことがあるか、当てはまるものをすべて選んでください。
まずは、害獣や害虫によって家のどこに損傷を受けたことがあるかを尋ねました。

その結果、37%の人が「床」と回答し、続いて「壁」「天井裏」に集中していることが明らかになりました。
これは、床下や壁内、天井裏など人目につきにくい空間が、害獣や害虫の侵入経路や生息場所になりやすいためです。損傷は気づかれにくい場所から進行し、やがて住宅の構造全体に悪影響を及ぼすことにつながります。
質問2:
どのような損傷だったか具体的に教えてください。
続いて、害獣や害虫によって住宅が具体的にどのような損傷を受けたのかを聞いてみました。
害獣・害虫にから受けた損傷
- 天井裏にスズメバチが巣を作り、その幼虫を狙ってアナグマか何かが入り込み、そこで排便をしていた。糞尿で天井が傷み臭いも酷かった。(30代・女性)
- マンションの同じ階の他の部屋からウジ虫が大量発生し、隙間から私の部屋にも入ってきて精神的にかなりダメージでした。(30代・男性)
- 屋根裏にハクビシンが住み着き、糞尿で板材が腐食していた。(40代・男性)
- クマネズミに天井の断熱材、風呂場換気のルーターをかみちぎられた。(50代・男性)
- 床板がふかふかして業者に修理を依頼したところ、シロアリに床の垂木が食べられたり、壁も穴を開けられていました。(60代・男性)
- コウモリに排尿、排便で汚された。(60代・男性)
害獣や害虫が引き起こす被害は、単なる騒音のような軽微なものにとどまらず、生活空間や住宅の構造そのものに甚大な損害を与えていることが分かりました。
もっとも深刻なのは、糞尿による建物内部の腐食や衛生被害です。ハクビシンやアナグマ、コウモリなどの糞尿が天井裏や板材を腐食させ「臭いが酷く生活に支障をきたした」という声もあり、住環境を大きく悪化させています。
次に多いのは、ネズミやシロアリなどによる「かじり」や「食害」です。ネズミが電話線やルーターをかみ切って通信インフラを破壊したり、シロアリが床板や壁、垂木などの構造材を食い荒らして大規模な修繕が必要になる事例が目立っています。
さらに、ウジ虫の大量発生といった衛生害虫による被害も報告されており、物理的な損傷だけでなく、住人が精神的な苦痛を受けている実態も確認されました。
質問3:
修理費はどのくらいかかりましたか?
次に、獣害を受けて修理にどの程度の費用がかかったのかを尋ねました。

調査の結果、害獣や害虫による被害の修理費は、44.7%が「10万円以上」と回答しており、高額な費用を負担したケースがもっとも多いことが分かりました。
さらに「5万円以上」と回答した割合を合わせると68.4%に達し、被害経験者の約7割が中〜高額の修理費を負担している実態が明らかになりました。
質問4:
原因になった動物や虫は何でしたか?
次に、修理費の金額ごとに、どのような害獣や害虫による被害が原因となっているのかを聞いてみました。
1~5万円
- ネズミ。(40代・男性)
- ゴキブリ。(40代・女性)
- クロスズメバチ。(40代・男性)
- サル。(50代・男性)
- クモが大量に発生した。(60代・男性)
5~10万円
- 蛾。(30代・男性)
- クマネズミ。(50代・男性)
- シロアリ。(50代・女性)
- ハチ。(50代・女性)
- イタチ。(60代・男性)
10万円以上
- ハクビシン。(40代・男性)
- イタチ。(40代・女性)
- シロアリ。(40代・男性)
- クマネズミ。(50代・男性)
修理費が10万円以上となる高額被害の主な原因は、シロアリやハクビシン、イタチ、クマネズミなどです。これらの動物は家屋の構造内部に侵入し、木材や配線を直接損壊するため、修繕に多額の費用がかかります。
とくにシロアリは被害の範囲が広がりやすく、高額修理を招く大きな要因となっています。
また、5万円以上の修理費を要したケースでは、クマネズミやシロアリ、イタチなどが共通して関わっており、駆除や構造修繕に時間と費用がかかる傾向が見られました。
質問5:
被害を経験したことで、その後防止対策を行いましたか?
続いて、害獣や害虫による被害を経験した後に、防止対策を実施したかどうかを尋ねました。

その結果、65.1%の人が「行った」と回答しました。被害の深刻さや高額な修理費を踏まえ、多くの人が再発防止の必要性を強く意識していることが明らかになりました。
質問6:
害獣・害虫対策を行った方はどのような防止対策をしたか、行っていない方はその理由を教えてください。
次に、防止対策を「行った人」と「行わなかった人」それぞれに、その理由を聞いてみました。
害獣・害虫対策を「行った」回答理由
- アリやムカデなど害虫を寄せ付けないように家の周りへ薬剤を散布した。(30代・女性)
- モグラ避けの超音波が流れる棒を刺した。(30代・女性)
- 害獣の侵入防止柵を取り付けた。(40代・男性)
- 入り口になりそうなところを全部ふさいでもらいました。(40代・女性)
- シロアリに効果がある忌避スプレーを念入りに吹き付けた。(40代・女性)
- 食害にあった箇所の木材の入れ替え、湿気や腐食防止剤の塗布。(50代・男性)
- 建材への消毒液の注入と地面への消毒液の散布。(60代・男性)
害獣・害虫対策を「行っていない」回答理由
- お金がないし、やりようがなかったから。(30代・女性)
- 田舎ではキリがない。(30代・女性)
- 被害にあった家から引っ越したから。(40代・男性)
- 面倒だから。(40代・男性)
- 防ぎようが無いため。(40代・男性)
- 忌避剤を使用したが、全く効果なし。(60代・男性)
- 薬剤は使いたくないのでそのまま。(60代・男性)
対策を「行った」と回答した人は、建材の交換や消毒、侵入経路の物理的な封鎖、忌避剤の散布などを実施しており、費用や手間をかけてでも再度の被害を防ぎたいという強い危機意識を持っていることが分かりました。
一方で「行っていない」と回答した人は「お金がない」「面倒」「キリがない」といったコストや労力の問題に加え「防ぎようがない」「効果がなかった」といった対策そのものの限界を感じていることが明らかになりました。
まとめ
今回の調査から、害獣・害虫被害は「床」「壁」「天井裏」に集中しており、修理費が「10万円以上」となる高額被害が44.7%にのぼることが明らかになりました。とくに、シロアリによる構造材の食害や、ハクビシンなどの糞尿による腐食や衛生被害が深刻です。
被害者の65.1%は再発防止策を講じており、その方法としては侵入経路の物理的封鎖や消毒など大掛かりな対策が中心となっています。
一方で、約3割は「お金がない」「面倒」「効果がない」といった理由から対策を断念しており、費用と手間が最大の障壁になっていることも明らかになりました。
害獣被害を放置すると再発や構造的な損傷につながるため、早期かつ確実な対応を取ることが重要です。自力での対策には限界があるため、再侵入を防ぐためには専門知識と経験を持つ業者の対応が欠かせません。
被害を最小限に抑え、安全で快適な住環境を取り戻すためには、早期に専門業者へご相談いただくことがもっとも確実な解決方法です。
<記事等でのご利用にあたって>
- 引用元が「株式会社NEXERと駆除ワーカーズによる調査」である旨の記載
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